地盤安定化
ウエルポイント工事
地盤を掘削する際に地下水が多いと、
地盤の耐力が低下してしまい、地下工事がスムーズに進みません。
そこで、強制排水するための補助工法のひとつとして
「ウエルポイント工事」があります。
軟弱な地盤内の地下水位を低下させ、地盤を安定化することが可能です。
特に、下水などが極めて多く、他の方法では水替できないような場面で用いられます。
施工可能な地下水位の深さは、最大で10m程度と比較的浅い場所。
液状化対象層の透水係数が高く、下層部に軟弱な粘性土層が厚く堆積していない地盤に適しています。
仕組みは、ウエルポイントという吸水管を取り付けた
パイプを地盤中に多数打ち込み、
真空ポンプを用いて強制的に排水。必要な区域の地下水を揚水し、
地下水位を低下させ、掘削を容易にします。
ドライワーク下での作業が可能となるため、
工事の簡素化・安全・工期の短縮ができ、
コストダウンにつながります。
また、経済的な軟弱地盤の改良工法としても用いられます。
施工中の安全性が十分確保されており、
開削部側面からの土砂流出や地山の崩壊、床付け面の乱れ、
不等沈下などによる施工能率の悪化を防ぐことが可能です。
施工メリット
- ドライワークでの施工が可能で、 掘削後の法面すべり等の危険を最小限に留めらます。
- 効率性、安定性が高く、低コストで施工できます。
- 地下水の低下させることが難しい地盤や、粗砂~砂質シルトの広い範囲の土質・地盤でも 施工が可能です。
- 地盤改良も可能です。
- 増設が容易です。
- 施工時期が長期になるほどポンプ台数を減らすことができ、コストを抑えられます。
手順と仕組み
- ウエルポイント(ストレーナ、金網と玉弁のついた集水パイプ)を地中に埋め込む。
- 地表に設置した真空ポンプにつなぎ、地下水を強制的に吸い上げる 。
- 地中の水がウエルポイントの周りに強制的に押し込まれる。ライザーパイプの中を上昇し、ヘッダーパイプを経由し、主ポンプに集まる。
- 自立性に乏しい地盤でも、薬液注入等の補助工事は不要です。
- 水と同時に入っている空気はセパレートタンクで水と空気に分解され、水は渦巻ポンプ を経て排水される。
特徴
- 地下水位の低下ドライワークによる土木工事の容易さ(水圧,土圧の軽減)による土留工事の簡素化、安全、工期の短縮、作業コストの低減
- 土の剪断強度増加切取(掘削)、盛土法面の安定、掘削底面の地盤の強化
- 圧密有効圧の増加浮力の減少による地盤強度の増加
- 負圧の効果、軟弱地盤改良の圧密促進強化
多様な工法例
- 軟弱地盤改良工事、地下水位低下・軟弱地盤先行圧密工事
- 燃料パイプ埋設工事、掘削面・法面安定工事
- 下水道管埋設工事、山留め・掘削面安定工事
- 導水路幹線工事、掘削面・法面安定工事
- 建設地下部分掘削工事、山留め・掘削面・法面安定工事
- プラントポンプ設置
- 地盤浄化工法電気(建柱)
- 工事通信基地局送電線の鉄塔基礎工事、ボックスカルバート埋設工事
- 飲用以外の地下水の汲み上げ工事、ベンゼンなど汚染された地下水の除去工事
- 地中に浸透した有害物質除去などの土壌浄化工事
- 大型商業施設建設
ただし、ウエルポイント施工による地下水位の低下は、工事現場内のみでなく、同時に周辺の地区にも影響します。
周辺地盤の不同沈下が発生するなどの事例もありますので、周辺構造物に影響に与えないよう十分に配慮して行う必要があります。
こうしたトラブルを防ぐためには、掘削時のドライワークの確保や、
安全性の確保に有効な地下水位低下工法などをしっかりと計画・策定しなければなりません。
イズミ技建では高い技術を持つ技師・作業員らが事前調査~施工後のサポートまでしっかりと対応しております。
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